転職して1年とちょっと。仕事に段々と余裕が出てきたこともあってか、転職に続き資産運用についても考えが固まったため、今回はこれをまとめてみよう思う。
今回は資産運用経験のない人向けの内容
ゲームプランナーの安定性
見出しで何が言いたいかはお察しだろうが、ゲームプランナーは比較的不安定な職業。ゲーム業界自体は成長傾向にあり、ゲームプランナーの平均年収も上がってはいるが、競争が激しく手に職が付くわけではないゲームプランナーはうかうかとしていられない。
比較的お金に無頓着な人が多い職種であることは理解しているのだが、職業の不安定性を資産運用で補うことは、やっておいて損はない。
収入だけで言えば、効率の良い職業は他に山ほどあるからね
資産運用の基礎
ここの部分は一般論。
投資経験者はスキップ推奨だよ
平均的な指標(パフォーマンス)
最も王道的かつ比較的低リスクな投資先である「S&P500」の過去5年の年率リターンは23.27%、5年間累計で184.66%だった。
1000万が5年で1846万円か...。現金で置いておくのは勿体無いね
為替リスク
ドル円は2025年1月時点で155円前後を推移しているが、2020年1月25日時点でのドル円は109円だった。
将来的にドル円がどうなるかはさておき、資産の全てを円で抱えている人は如何にリスクが高いかというのが分かる。
資産の全てが円の人は最早ギャンブラー
ちなみにS&P500含め、本記事で紹介する全ての銘柄のパフォーマンスは為替(ドル円)も反映されている。為替のリスクヘッジとしても、これらを買う意味はあるということだ。
資産運用は必須級
これを初めて理解したとき、ただポチッと投資設定をするか否かでここまで差が開くのは、直感的に言っておかしいという感覚があったのを覚えている。
たったこれだけのことなのに、知らなかったでは済まされない程の差が出てしまう。あんまりな話だが、世の中(特に日本)がそうなってるのだから仕方ない。
これがゲームだったら仕様バグレベル
上記では直近の5年間を例に挙げたが、「人生」では少なくとも社会人になってから40年以上はお金と付き合い続けなければならない。
このような差が40年もの間も開き続けることを考えると、いくら金に無頓着な人でも危機感を覚えるはずだ。
40年分のスノーボール…ゴクリ…
※ちなみに現時点での株式市場はコロナショック以降、調子が良すぎる程の堅調ぶりで、歴史的に見れば株高と言える水準にあります。あまり楽観視しすぎるのはやめておきましょう。
ゲームプランナー向きの資産運用
金を稼ぐ効率だけで言えば、ゲームプランナーは割に合わない職業。それでもやると決めているからには、各々それなりの理由があるはずだ。
エンタメ系の職業全般に言えることだね
そんなゲームプランナーにとって、お金のために時間的コストを払うことは本末転倒であり、極力避けたい事態のはずである。
よって、ゲームプランナーに最適な投資スタイルは、時間的コストを最小限に抑えつつ、パフォーマンスが安定した投資ということになるだろう。
先に結論
生活費2〜3か月分を手元に置いておき、残りの余剰資金は全て「インデックス」「ETF」「投資信託」のいずれかで長期投資する
これが投資を7年やってきた中で見つけた、最も時間効率が良いかつ高パフォーマンスな投資方法だ。
投資知識がある者にとっては噴飯物の結論だったと思うが、私にとっては実体験を基に辿り着いた、合理的な結論なのだ。
ブログ主はちょっと遠回りしました
補足①:銘柄選び
投資において最も重要かつ時間が掛かる作業。
だが、やはり餅は餅屋。時間が惜しい人がわざわざ車輪の再発明をする必要もないので、先人が創り上げた“王道”に乗っかろう。
【S&P500】
プロのアクティブファンドマネージャーの9割がかなわない年率リターンを、毎年安定的に叩き出す『S&P500』。THE王道。パフォーマンスは先述通り、5年間で184%ほど。
とりあえず迷ったらこれ
【全世界株式】
よりリスクを抑えたい場合は『全世界株式(オールカントリー)』という選択肢もある。5年累計のリターンは137%ほどだ。
S&P500基準で考えると、実質的にパフォーマンスの6割は米国株(≒S&P500)の影響下にあり、残りの4割である他国が更なるリスクヘッジになっているという銘柄。より安定思考の人向け。
米国株が終わる時は全世界の株も6割終わるということ
【Fang+】
リスクが取れる場合は、5年累計のリターンが459%の『Fang+』という銘柄もある。簡単に言えば、S&P500にも含まれているメガテック系上位10社を厳選したファンドだ。
リスクリターン最強格
ただし、いくら世界的企業とはいえIT系に偏るため、ITセクターが軟調なときはしっかりと下がる。(直近だとdeepseekショック)この乱高下で不安になってしまうという人は、ポートフォリオの3割以下に留めるなりの工夫が必要だろう。
補足②:投資期間とタイミング
投資期間は短ければ短いほど時間的コストが掛かることになるが、素人がガチャガチャ取引したところでパフォーマンスが上がるどころか損or機会損失をするだけなので、長期投資のBuy&Hold一択だ。
そして重要な点は、時が経つほど指標は上がって行ってしまうので、投入資金は出来るだけ早めに入れておくことがパフォーマンスの向上に繋がるということ。
- 年初に一括で買うのと、同額を1年を通して毎日コツコツ買うのでは、年初一括のほうがパフォーマンスが良い
- 指数の押し目待ちをして現金保有をしていても、大概は下がる幅より上がる幅のほうが大きい。押し目待ちのための時間的コストも痛い
NISA枠をどれだけ早く埋められるかのゲーム
補足③:現金保有比率
生活費の2〜3ヶ月分はいつでも使える状態にしておき、残り全てを突っ込む
これで良い。もしまとまったお金が必要になったときは躊躇わずに必要な分だけ利確し、切り崩せば良い。パフォーマンスを気にするがあまり、必要な時に好きに金を使えないようでは、金を増やす意味が薄れる。
ブログ主のパフォーマンス(失敗談)
先にお伝えしておくと、私の約7年間の投資歴におけるトータルリターンは約150%だ。
あれ?指数に負けてる...
銘柄分析をして個別株をやってみたり、デイトレをしてみたり、信用取引でレバレッジをかけてみたり...
それなりの時間を割いてあの手この手を試してみたが、蓋を開けてみればノールックでインデックスに全額突っ込んだ人にパフォーマンス負けしていたのだ。
要するに下手だったってことね(辛口)
経験者は共感できると思うが、個別株を自分の手でガチャガチャ動かすのはゲーム感覚的で、実はそれなりに楽しい。それによって莫大な利益を得るか、逆に損をするかは人によるのだが、私の場合、残念ながら指数に負ける程度の微増という結果に終わった。
具体的には、取引している期間中は指数にパフォーマンス勝ちしていたが、現金保有で放置している期間(機会損失)によってパフォーマンス負けしていた。時間を割かずともパフォーマンスが出るという点が、指数の長期投資における最もエラい点なのだとしみじみ実感した。
私の場合は『早々に資産形成を終わらせて自由時間を得たい』という目的でやっていたのだが、結果論で言えば、『時間を浪費して収入効率を落とした人』になっていたのだ。
かなしいね
失敗の原因
原因は色々とあるのだが、1番の痛手は現金比率が高い状態で放置した期間があったことだろう。めぼしい銘柄が見当たらない期間を「買いたい銘柄がない」と言いながら、何も買わずに放置している期間が続いたのだ。
(実際、資産の3割が積立、残りの7割を現金で保有する状態が続いていた)
それほど株に時間を割けるわけではなく、放置期間は伸びる一方。結果、取引していない期間も指数は上がり続け、放置した期間がそのまま機会損失となった。
お手本のような機会損失…
転機
現金比率を高めていた理由としては、『暴落が来たタイミングで信用取引でガッツリ稼いでやるぜ!』と意気込んでいたからなのだが、いざ暴落が来ると、恐怖で現物取引しかできなかったという経験がある。しかも毎度元本の5割ほどしか買えなかった。これは当初意気込んでいた額の1/6程度だ。
頭の中の理屈通りに取引していれば、今頃は...。そんな想いを抱きつつ、個別株ないし短〜中期トレードを続ける日々を続けていた。
ゲームなら簡単なんだけどね
2024年8月5日の大暴落が記憶に新しいが、ここで大きくリスクを取りに行けなかったことで、短〜中期投資のセンスがないことを心底悟った。これがトリガーとなり、今回紹介したような投資法へと発想を切り替えていった。
投資に時間使っちゃってたしね...
この経験を基に改めて振り返ったとき、今回紹介したような投資法は
- 時間的コスト最小限
- 比較的低リスク
- パフォーマンスも並以上
であることに気付いたのだ。
この当たり前に至るまでに7年掛かったのは非常に悔しい想いがあるが、この経験があるからこそ残りの30年は強い。そう信じてこれからも長期投資を続けていこうと思っている。
投資設定が出来たら...
各々、好きなことに存分に取り組むべし。
投資のリターンが膨らむほどに、取れるリスクの幅が広がり、自由度も自由時間も広がっていく。投資の真価はまさにこの点にある。
- 資産運用は効率的に行うが、投資への時間的コストは最小限に
- 遊びに金を使いたい時は躊躇わずいつでも使う(お金が理由で欲求を抑えない)
- 浮いた時間は最大限自身のやりたいことに注ぎ込む
これこそが、エンタメ業界に身を置く社会人として最も合理的かつ健康的な資産運用だと今は結論付けている。
...今回はずっと当たり前のことを大声で言っているような感覚があり、若干の恥ずかしさを感じる回ではあったが、これが生の声ということで。
今回はこの辺りで。ではまた次回。