FF7 Rebirthに引き続き、FF16をクリアしたので
今回はFF7 Rebirthと比較しながらレビューをしてみようと思う。
ネタバレに配慮していないので、未プレイの人は要注意。
今回も開発者に寄り添った視点が多い気がする
プレイスタイル
- クリア時間:42時間
- トロコン率:50%
- プレイ歴 :FF7,9,10,12,13,15,16 FF7 Remake/Rebirth
- 難易度 :アクションフォーカス
- スタイル :進行可能なサブクエストは全て消化(バウンティは未消化)
【FF7 Rebirth】
クリア時間:64時間
トロコン率:47%
難易度 :Normal
スタイル :寄り道をほぼせず、メインストーリーを楽しんだ
FF7 Rebirthと比べると、比較的コンパクトなボリュームだったね。
良いと思った点
徹底したユーザビリティ
FF16で最初に思い浮かぶ良い点
【プレイの快適性を上げる細かな気配り】
- 目的地が明示され、迷わない
- 進行方向を教えてくれる機能(トルガル)
- カットシーン後、進行方向にカメラが向く
- クエスト達成時に報告者までジャンプできる機能
【グラフィカルな振り返り機能】
- 用語をイラスト付きで振り返れる機能(ハルポクラテス)
- 人物相関図や世界情勢を年代別で振り返れる機能(ヴィヴィアン)



ストーリー、システム両面のガイドを徹底的に備え、ゲームにおける代表的な離脱ポイントである「次の行先がわからない」を払拭することに成功している本作。それでいて対象が特定出来ないシチュエーションでは目的地を範囲で示し、直接的な誘導と使い分ける等、体裁面への気配りも行き届いており、ユーザビリティ面のケアは完璧レベルであった。
余談だが、2010年あたりまでのRPGでは、NPC等からテキストベースで情報を入手し、少しずつ目的地へ近付くという遊び方が主流であった。
これはある種、現実世界と近しい体感でリアリズムを感じさせるものであったが、“タイパ”が気になる現代人には受け入れ難い構成となってしまった。
当時は石版探しも楽しかったんだよ

最新のゲームしかやったことない人が古いゲームをやると、
「わかりやすさ」「快適さ」「テンポ感」における配慮の無さに驚愕することだろう。
現代のゲームはグラフィックもさることながら、ユーザビリティ面の向上が著しいのだ。
昔に比べると介護レベルの親切さ
快適で爽快感のあるバトル
本作はナンバリングタイトル初の純アクションゲームでありながら、アクションに不慣れな人でも気持ちよく敵を捌ける工夫が施されていた。
【敵モーション】
バトルにおいて最も好感触だったのは敵モーション。
敵キャラクターの攻撃モーションには、親切にも必ず攻撃の予備動作用意されており、攻撃の発生フレームも必ず見てから反応できる速度感での調整がなされていた。
この徹底によって、「敵の動作を見てからアクションをする」というアクションゲームならではの体験が、アクション初心者にも楽しみ易い作りとなっていた。
よってダメージを食らった際に「自分が悪かった」と自然と思えるような納得感があり、アクション経験者にとってもストレスフリーなアクションが楽しめるという点が好印象であった。

【無敵時間の長さとパリィ】
本作の回避の無敵時間は他のアクションゲームと比べてかなり長目に設定されている。
加えて、操作キャラクターと敵キャラクターの攻撃がかち合った瞬間には自動でパリィが発動し、明確な攻撃チャンスが生まれる。
ある程度適当に通常攻撃や回避を連打していても”ちょっと運が良ければ”敵の攻撃を無力化できるレベルの味付けとなっており、全体的にプレイヤーが有利なバランス感になっている。

アクションゲームに慣れている人には「ぬるゲー」と評価する人もいるだろうとは思いつつ、FFのナンバリングタイトルであること、コアゲーマー以外の幅広い層にも楽しめるアクションゲームが前提であることを鑑みると、最も多くの人が楽しめるバランスであると感じられたので、個人的には好印象であった。
「手軽に楽しめる爽快アクション」って感じだったよ
賛否両論な点
カットシーンの多さ
本筋外のちょっとした会話でも、カメラ演出付きのカットシーンで進行する本作。
非常にリッチな作りでありつつも、プレイヤーの操作時間が減っている点で違和感を示す人もいたようだ。

街のNPCの会話(フレーバーテキスト)もボイス付きの自動再生でありながら、
ストーリーやサブクエストを少し進める度にカットシーンが再生されるため“観る”時間が多い。
便利でリッチになったと言うべきか、見る時間が増えて退屈になったと言うべきか…
結果的に操作時間が減ったことで”ムービーゲー”と揶揄したくなる気持ちもわからなくはないが、開発者の視点で見れば、ユーザビリティの向上に加え、現代のグラフィック水準に相応しいリアクションをNPCに取らせたいという意図があるのだ。
グラフィックが進化したことによって、昔はスルーできていた「非現実感」や「ゲームチックさ」がクオリティ面でのボトルネックになり、対処せざるを得ないというのが昨今のゲーム開発事情。プレイヤーは気にも留めない部分ではあるだろうが、グラフィックの進化はプレイヤーの想像以上に、あらゆる場面で悩みの種になっているのだ。
前回レビューした『FF7 Rebirth』でもグラフィックの進化による問題に触れているので、興味があるは是非読んでみて欲しい。
今後もこの「リアリティ(カットシーン増)」と「プレイアブル時間」のバランス問題に頭を悩ませることになると思うので、スクエニに限らず各社のアンサーを楽しみにしたいところ。
プレイヤーはそこを望んでないとわかりつつ、新世代のタイトルとしては入れざるを得ない要素って結構あってさ…費用対効果もめちゃくちゃ悪いから開発側も本当は…
※無論、リヴァイアサン⇔おにぎり問題は全く別次元の話。あれは本当に誰も求めていなかった。
命の軽さとバックボーンの薄さ
ゲームオブスローンズの影響か、シリーズ全体の中でもトップクラスに死者が多く、命の価値が軽い。
そして死生観が現代とは異なる時代だからこそ、本作におけるキャラクターたちの行動原理はシンプルかつ根源的となっている。「死」が常に身近にある一方で、それ以上に強烈なテーマは存在しないため、キャラクターのバックボーンはあまり細かく描かれず、全体的に薄味だ。
キャラクターを深く掘り下げた物語を好む人にとっては物足りなく感じる可能性があるため、この点で好みが分かれるだろう。
時代設定と共感性
本作の設定上、主人公がヤワだと成立しないということは重々承知しつつも、
本作の主人公クライヴは共感出来ない程にタフであった。
死生観が今とかけ離れた時代背景も相まって、本作には現代人が抱くような「葛藤/不安/弱さ」の類があるシーンが殆ど無く、その上クライヴ自身も物語序盤から成熟したタフなキャラクターであったため、この主人公に感情移入や共感が出来るタイミングは乏しい。
FFは主人公の人格がキャラクターとして存在する「客観型主人公」のシリーズではあるが、今まで自分がプレイしてきたナンバリングの中は、最も客観的で外側から主人公を追っている(見届けている)感覚が強いタイトルであった。
悪いと思った点
召喚獣バトル
時限式のPS専売契約であったFF16にとって、”プロモでも映える、PS5基準のグラフィックを活かしたド派手バトル”は大人の事情的に外せない要素であったのだろう…と邪推をしたくなるのが、本作の召喚獣バトル。

召喚獣同士のバトルとなるとサイズ感的に大振りにならざるを得ないため、スピード感が削がれた結果アクションの手触りは悪い。(通常バトルのほうが圧倒的におもしろい)
ほぼQTEの延長線上にあるようなアクションという印象が拭えなかったため、
開発費の費用対効果的に見てもカットしてもいいのでは?と思ってしまった。
召喚獣が絡むと崩壊するキャラクター
メインストーリーはゲームオブスローンズを彷彿とさせる戦争物で、大人でも興味が惹かれる硬派目な作りではあったのだが、ドミナントが顕現化する前後の展開やキャラクターの心理描写が全体的に強引であり、それまでに積み上がっているキャラクター像が顕現化と共に崩れ去る。
- 冷酷で残忍な性格に変容するまでのバックボーンが描写されてきたベネディクタが、顕現化前後で見境の無い破滅主義者になる
- 見た目とは裏腹に知将感を醸し出していたフーゴが、顕現化の前後でプッツン系脳筋キャラになる 等々…

大人向けの硬派な作品として楽しんでいたら、急に勧善懲悪の戦隊物に差し替えられたような感覚に陥り、召喚獣のパートが訪れる度に没入感が削がれてしまった。
顕現化は感情の昂ぶりによって引き起こされるため、設定通りといえば設定通りなのだろうが、観客置いてけぼり感が拭えないため、「GOT⇔FF(召喚獣)」のジョイント部分はもっと神経質になるべき部分だったと思う。
あとこれは完全に個人の好みだが、召喚獣バトル時前後に挟まるカットシーンでのやり取りが全体的に特撮っぽいチープさがあり、個人的にはシラけてしまう描写が多かった。
いくぜ!うおーーーー!(ドカーン)
総合評価
4.6/5.0
FF7のリメイク作品と比べると、キャラクターやメインストーリーの魅力は見劣りするものの、圧倒的なユーザビリティの良さや、ナンバリング初の純アクションゲームでありながら快適で爽快感のあったバトル等、全体的に優等生という印象受けた本作。

FF15後のナンバリングタイトルというプレッシャーを受けつつも、
FFらしい新規性、革新性、チャレンジ精神を高水準でまとめ上げていた。
世間では賛否両論感が強く厳しい目を向けられていたが、純粋に1本のゲームとして向き合えば、間違いなくクオリティの高いゲームの1つなのでは?というのが率直な感想だ。また、ストーリーやキャラクター性については好みであるということも加味し、前回レビューした『FF7 Rebirth』より0.1点高い4.6点を今回は付けてみた。
Steam版もリリースされたので、敬遠していた方は是非プレイしてみてね
それでは、また次回。