中堅ゲームプランナーの呟き

ゲームにまつわる考察と愚痴と備忘録

#8 『FF7 Rebirth 』クリアレビュー

こんばんは。ゲームから離れた話題が続いたので、今回は2025/01/23にSteam版がリリースされたFF7 Rebirthについて所感をまとめてみようと思う。

ネタバレに配慮していないので、未プレイの人は要注意!

プレイスタイル

  • クリア時間:64時間
  • トロコン率:47%
  • プレイ歴:FF7/FF7 Remakeをクリア済み。その他7系の派生作品は未プレイ
  • 難易度:Normal
  • プレイスタイル:寄り道をほぼせず、メインストーリーを楽しんだ

やり込み要素は基本スルーしたよ(理由は後述)

良いと思った点

背景グラフィック

最も感動したのは背景グラフィック。

フィールドを移動するだけで見たことのない解像度のはずなのに当時の記憶が蘇る感覚が味わえ、これだけでも1万円払う価値はあると感じられた。

当時FF7をプレイした人ならこの体感がわかるはず

メインシナリオ上でキーとなるフィールドは順当に解像度を上げる形で構成されているため、見たこともない解像度のはずなのに懐かしさが感じられる。

一方で、原作に存在しない領域や画角はかなり遊びを持たせ、想像を膨らませた形で構成されているため、「この場所はこうなってたのか!」といった新鮮さを感じられた。

背景グラフィックからはこのメリハリがしっかり感じられたため、期待を裏切らない懐かしい感覚がありつつも、ただ記憶をなぞるだけでない新しい刺激がある魅力的なレベルデザインとグラフィックだったと思う。

キャラクターグラフィック

言葉は不要か…。

ちなみにブログ主はティファ派。Rebirthで大分揺らいだけど

モデリングのクオリティが素晴らしいのはもちろんなのだが、実はデザイン面で感動したのはバレッド。

FF7 リメイク』は原作(オリジナル版)からどれくらい進化した?比較画像でわかるキャラクター・戦闘システム・街の変化

体格、髪型、顔付き、服装、等諸々の要素に対して説得力がありすぎる。
よくもまあ、このドラム缶のようなポリゴンのバレッドからここまでの解像度が出せたなと。

世界線の分岐表現

フィーラーの存在によって世界線の分岐表現があるFF7リメイク3部作。
賛否両論の空気を感じるが、個人的には原作ファンの期待に応えるための良い設定だったと感じている。理由は2つある。

全ての期待に応えようとする開発スタンス

評価は人それぞれだが、本作が確実に褒められるべき要素としてプレイヤーの期待値が高い部分には妥協ないほどにリソースが割かれているという点が挙げられるだろう。

原作ファンがFF7 Rebirthに期待する大きな要素としては

  • エアリスのラストシーン
  • ゴールドソーサーのコンテンツ
  • ゴールドソーサーのデートイベント

大きくはこの3つだと思うが、FF7 Rebirthではこの点においてしっかりとファンの期待に応えたと言えると思う。その分開発はかなり苦労しただろうが、その甲斐がゲームアワードの受賞数にも表れたのではないだろうか。

そして原作的にもRebirthの立ち位置的にも最大の要素はエアリスのラストシーンだが、「エアリスの生存ルートを見てみたい」「でもやっぱり原作を壊してほしくはない」といったわがままなファンの欲望を応える術として、クラウドの記憶障害の設定を上手く活かした世界線の分岐という見せ方でファンの期待に上手く応えてくれていたのでないか?というのが個人的な見解だ。

解像度が上がったことで生じる違和感の解消

原作にはないエリアや画角が存在することや、グラフィックの解像度が上がったことで、有耶無耶な表現や強引な展開をさせることが厳しいことは想像に難くない。
解像度が上がることで生じる問題はグラフィック面だけでなく、ストーリーにも十二分に波及してしまうのだ。

FF7のリメイクシリーズにおいては、この問題は主にフィーラー演出(世界線分岐演出)によって違和感を減らすことに成功していると思う。

わかりやすいので、またもやエアリスのクライマックスシーンを例に挙げるが…

エアリスの頭上からセフィロスが垂直に落ちてくるこのシーン。
セフィロスの滞空時間が長く、当時プレイした人なら誰しも「この間クラウドなにしてんだよ!」と思ったはず。

野暮だけどね。

しかし当時はこれが許されていたし、ある種お約束として受け入れられた。なぜなら、当時のグラフィック解像度であれば、この違和感、やるせなさ、ご都合展開感はギリギリ許容できたからだ。

現代のグラフィックで同じカットが成立するはずがない。だからこそ、FF7ファンはこのクライマックスシーンに対して並々ならぬ期待を寄せていたのだが…

結果「エアリス目掛けて落ちてくるセフィロスを傍観するクラウド」というシーンにはならず、これに反応して正宗を弾くクラウド。
つまり、FF7 Rebirthならではの「世界線が分岐する」という演出を用いて、現代のグラフィックでも通る展開を新たに作って見せたのだ。まさにRebirth。

これ以外にも、随所でグラフィックの解像度が上がったことによって生じるストーリー上の違和感は、フィーラーを始めとするオリジナル展開や試行錯誤によって回避されてることを考えると、やはり良い手法だったと個人的には思う。

これ以外に良い方法あるのか…?

原作を完全再現をしたところで新鮮味に欠け、それはそれでまた違った不満を口にするプレイヤーは必ずいる。どう転んでも何か言われるのであれば、今の時代の人が今の感性で最大出力を出してくれたほうが、作品としても、それを享受するプレイヤーとしても良い結果に繋がると思う派なので、そういった意味で今作のような新たな展開を見せる形での挑戦は肯定的に捉えたい。

キャラクター性の補強

「世界線の分岐」にも似た話だが、グラフィックの解像度が上がることで如実に影響が出るのはやはりキャラクター。

陰気で不器用な青年であるクラウドは、あのポリゴンであればまだかわいく見れたが、このグラフィックで原作と全く同じ振る舞いを続けていれば、かなり印象は悪く映っていたはずだ。仲間とはいえ年頃の男女が一緒に旅をしているという点も、解像度が上がった分だけ繊細に描写しなければ違和感に繋がってしまうだろう。

こういった問題点をしっかりとキャッチアップしている細かなセリフの数々は非常に好感を持てたし、各キャラクターのイメージを損ないままにキャラクター性の補強がされている点が特に素晴らしかったと思う。

FF7 リバース』ティファの“ちょっと背伸びパンツ”、令和では許されなかった…「時代は変わったぜ、クラウド」 (2024年2月29日) -  エキサイトニュース

話の本筋とは若干異なるが、こういったやり取りが楽しいのも高解像度化&フルボイス化による恩恵と言えるだろう。

素晴らしいシーンだったね

そして、ラストシーンに次ぐ見せ場となるイベントデートは素晴らしかった。
ユーザーの期待度と力の入れ具合をしっかりと見極めていると感じれたし、なんといってもティファの…

(中略

悪いと思った点

ミニゲーム

言わずもがな、テンポ感の阻害と感じた。
ジュノンパレードがどうなるか気になってはいたが、そういったユーザー目線をしっかり汲み取って力を入れていたいた点は評価したいが、ゲーム性とUIは残念に感じた。

一方、ある種最大の注目点といえるゴールドソーサーの作り込みは素晴らしかった。
チョコボレースのランダム性のあるコースデザインには非常にイライラしたが。

ゴールドソーサー以外のミニゲームにおけるメカニクス、ゲームバランス、UIは総じて印象は良くなかった。

嫌いすぎて雑なレビューに…

サブクエスト

たらい回しにされた挙句、3か所に×印が描かれた手書きの地図を渡された瞬間に、「このゲームのサブクエストは捨てよう」と決意した。

また「ここ掘れチョコボ」や「トレジャースポット」は移動アクション周りの動作の重さとテンポ感の悪さによって一切やり込む気が起きなかった。

サブクエストにおけるナラティブ設計は最早皆無レベルで、お使いをする動機付け、お使いの導線、お使い消化のテンポ感全て見直して欲しいレベルのものだった。それぞれの話に対して全く興味が湧かなかった。

口悪いな…

移動アクション

先述通り、フィールド移動における移動アクションの動作の重さとテンポの悪さによって、フィールドにおけるやり込み要素は一切やる気がおきなかった。

賛否両論

サウンド

思い出補正が強く乗る部分なのであえて厳しい目線を向けるが、個人的には感動レベルではなかった。
戦闘⇔非戦闘、キーフリー⇔イベントがシームレスに遷移するサウンドシステムは素晴らしいと思った。あとは、コスモキャニオンとエアリスのテーマは良かった。

バトル

コマンドバトル×アクションという超難題を課せられてしまっているという点で同情したい気持ちはあるが、結局やるべきことは「ジャストガード」や「直前回避」だったなと。

だとしたら、敵モーションはモンハンのようにしっかりと「予兆動作」→「振りかぶり」→「攻撃」と段階的に遷移させて気持ちよくアクションさせて欲しかった。
この敵モーション周りの示唆が甘く、覚えゲーの側面が強すぎたのがアクションとして気持ち良くなかった。

今プレイ中のFF16は純アクションゲームだけあって、敵モーションや敵AIはプレイヤーが気持ちよく勝てるような工夫が凝らされていることを感じるので、敵モーションだけでも同レベルのものであればかなり体感は違ったと思った。

とはいえレベルを上げて装備を整えてコマンドに重きを置いた戦い方をすればそれでも勝てるようにはなってるシステムなので、なんとも難儀な戦闘システムだなと。

FF7 Remakeの頃より大幅に改善はされてたよ

総合評価

4.5/5.0

リメイク作品として重要なストーリー、グラフィック面が非常に素晴らしかった。
特に終盤の怒涛の展開は開発者のエアリス愛を存分に感じるもので、エンディングを迎える頃には最高の気分にしてくれる。

本来であればケチのつけようがない程の出来なのだが、メインシナリオ以外のやり込み要素や移動周りのユーザビリティがそこそこ悪かったので、総合点としては4.5点とする。

次回は今プレイ中のFF16の感想をFF7 Rebirthと比較しつつ書きたいと思っているので、クリアまでしばしお待ちを。

それではまた次回。